経営層にクリエイターを入れて、斜め上のアイデアで事業を拡大する

2種類のデザイナー

デザインの仕事をしていて「自分のデザインを重視する人」と「相手の立場にたってデザインをする人」の2種類のクリエイターがいるなと思う。どちらもある程度の実績がある人が前提にはなるが、この2つの違いは大きい。


「自分のデザインを重視する人」は、どちらかと言えば天才肌。独創的なデザインをして脚光を浴びる。

「相手の立場にたってデザインする人」は、ビジネス向きの人。クライアントのニーズやウォンツを感じ取り、それに合わせて幅広いデザインをしていく。


最近、経営層にデザインのできる人が必要だと言われている。Forbesでも記事として取り上げられている。


CCO(チーフ・クリエイティブオフィサー)

簡単にいえば、ユーザーニーズをチームにインストールしながらサービスづくりを統率する役割です。経営者のビジョンを具現化するのがミッションとして、経営者の考える山の登り方がユーザーニーズと食い違う事も多いので、そのギャップを埋めてゴールに向かうモノづくりを実現していくのがCCOとしての主な仕事です。

引用:https://forbesjapan.com/articles/detail/21591/1/1/1


デザイナーの中でも後者の「相手の立場にたってデザインする人」が向いていると思う。デザイナーがいい理由は、イメージを具現化できるスキルが高いことだ。

分かりやすく目で見せることはチームを同じ方向に向かわせるのに効果的。イメージをイメージのまま口頭で伝えても、いまいち理解できないことの方が多く、会議も迷走しやすい。


デザインもできて、経営者と対等に話ができる人なんてあんまりいないかもしれないが必要な存在だ。経営者が考えていることを、斜め上から実現させるアイデアを出してくる。従業員の多い大企業だと、どこかで実績を上げたクリエイターが引き抜かれその役職につくだろう。


しかし、中小企業だとどうだろうか。


意外と簡単にその役職につくことができると思う。従業員が少ないと、経営者と話す機会もあるので経営者のビジョンを理解することもできる。

経営者は経営者であって何でもできる人ではない。大きな枠組みを決めるのが仕事。細かなことは社内で行なっていくので、クリエイティブな発想がないと、多くの従業員は失敗を恐れ、昔からしていることや実績のあることにしか手を出せず、思ったほど伸びない場合が多い。


中小企業に必要な人材

中小企業経営者はビジネス思考のクリエイターを見つけるのをお勧めする。販促物のデザインとか、SNSの強化とかいう作業ではなく、経営者の思い描くビジョンを斜め上のアイデアで具体化してくれる人が必要だ。

逆に、中小企業に勤めているデザイナーは、デザイン以外の領域の知識を増やし、もっとクリエイティブな感覚を身につけ、自社でCCOになることもできる。ほとんどの中小企業でCCOのポストには誰もいない。そもそも、そのポストすら無い。

経営者もデザイナーも、お互いの関係性を考えてみると面白い化学反応が起こるかもしれない。